コメント

ひと言もない、
敬愛するケン・ローチ監督の最高傑作。

――こんな映画こそ大ヒットしてほしい。

山田洋次(映画監督)

官僚的な社会で庶民が生きていく辛さ、
それでも他人へのやさしさを失わない気持ちが
痛いほどリアルに伝わる感動作です。

ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

行き過ぎた格差社会の成れの果てがこれだ。
この映画は、この国の話でもある。
私たちの数年先の未来かもしれない。
一度でも貧困に陥れば、人として生きる権利まで失われてしまう。
強欲な世の中の1%の獣たちに、今、声を上げなければ。
疲れてもう声も出せない人がでてきている。
ぜひ、多くの人たちに観てもらいたい。

室井佑月(作家)

「厳しいけれど、これが現実。じゃあ、どうする?」
そう突きつけられて、あなたは、私は、どう答える?
人間の尊厳とは?お金で買えないものとは?
古くて新しいこの問題を解くカギを、
ダニエル・ブレイクは教えてくれる。

増田ユリヤ(ジャーナリスト)

ケン・ローチ監督が引退を撤回してまで撮りたかった作品は、静かな怒りに満ちている。
決して遠い国の話ではなく、
すぐそばまで近づいている現実だろう。
尊厳が傷つけられたり、壊されそうな時
「I,DANIEL BLAKE」と唱えたい。

中江有里(女優・作家)

貧困に陥りながらも人間としての尊厳を失わず、生活に困窮するシングルマザーの家族に
優しく手を差しのべる主人公の生き方に感動した。
貧困と格差の拡大はわが国でも最大の社会問題となっている。
多くの人に是非観てもらいたい映画である。

宇都宮健児(弁護士)

弱者のくらしを守るべき制度や機関が、
さまざまな煩雑で巧妙な官僚的手続きを使って人々を排除していく。 国家権力の空恐ろしさに怒りが止まらない。しかし
絶望的状況の中でも毅然として愛と誇りをもって生きる ダニエル・ブレイクに真の人間を見た。

宮本みち子(放送大学副学長)

こんなにひどい仕打ちがあっていいのか、と怒りながらも、時々ふわっと春風が通りぬける。
人間を愛しているのだろう。

大宅映子(評論家)

イギリスだろうと、日本だろうと、
いつもダニエルは僕らの隣にいる。
ただ、僕らがまだ名前を尋ねていないだけだ。

荻上チキ(評論家・ラジオパーソナリティ)

自分が困っているのに
困っている人を見るとつい手を差し伸べてしまう。
まるで、昔の日本映画を見た気分だった。

鈴木敏夫(スタジオジブリ)

人生って、やっぱりこんな感じに出来てると思う
成長するために生きているのだ。
自分を知り神様からの試験を
僕も乗り越えて生きたいと
改めてこの映画をみて思い知りました。

のぶみ(絵本作家)

とにかく会話が生き生き面白く、
目の前で起きている出来事の様にリアルで
他人事とは思えないのです。
今年の映画早くも面白い。
隣人ダニエルに英雄賞!

風吹ジュン(女優)

特別な貧困層の話ではない。
ごく普通に生きてきた大工のダニエル、
まだ人生を始めたばかりのケイティ。
それなのにこの苦闘!
生きることがこんなに惨めになってしまう、この時代って?!
同じことが、日本でもきっと起こっている!

加藤登紀子(歌手)

圧倒的に打ちのめされた。
人間の強さ、優しさ、弱さ、ちっぽけさ。
時代と合わせることに少しだけ不器用な一人の男の人生は、
私たちに「尊厳」とは何かを、命懸けで突きつけてくる。

雨宮処凛(作家・活動家)

「フィクション」でなければ成立し得ない、
人間の尊厳や格差や貧困の現場を圧倒的リアリティで描いた作品。
強い者に屈しなければ生きていけない人たちが、少しだけ勇気を持つことで世界は変わるというメッセージのようにも思える。

津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)

ムダの削減と効率化を求めて、
私たちは丁重な排除へと行き着いた。
「仕方ない。じゃあどうしろって言うのか」と、
誰も叫ばないが、全員が叫んでいる。

出口はある、とケン・ローチは指し示す。
あとは私たちがそれを信じられるかどうかだ。

湯浅誠(社会活動家・法政大学教授)
※順不同・敬称略
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2017年3月18日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開